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上殿 明良*; 伊藤 久義; 大島 武; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*; 守屋 剛*; 河野 孝央*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 35(12A), p.5986 - 5990, 1996/12
200keVでチッ素N又はアルミニウムAlを注入した3C-SiCの空孔型欠陥に関して陽電子消滅法を用いて調べた。陽電子のエネルギー(入射)とSパラメータ関係より欠陥サイズの試料中での深さ方向の情報を得た。測定の結果、注入温度が高いほど空孔型欠陥のサイズが大きくなることが分かった。また、注入後の熱アニールの効果については、室温注入した試料は、熱アニール(1400C)を行うと、さらにサイズの大きな空孔型欠陥が生じるが、800C注入+熱アニール(1400C)はそれほど空孔のサイズは大きくならずにいることが分かった。これらの結果は、注入温度が高温ほど、注入中に生じた単一空孔が移動し、複空孔や空孔クラスターを形成すること及び、注入時のダメージが大きい、室温注入では熱アニールによって空孔が動き、大きな空孔クラスターを形成することを示唆している。